文化人になりたい

その日に見た創作物について、感想を述べる。それだけの場所。

りゅうおうのおしごと!第2話感想 誰にカッコをつけるかという話

本日の感想はりゅうおうのおしごと!第2話。

第1話から安定したクオリティで面白かったのですが、やっぱり話が動き始める第2話からだと感想書きやすいですね笑

 

このアニメはGA文庫で刊行されている同名ライトノベルをアニメ化したもの。

原作者は「のうりん!」でも有名な白鳥士郎さんです。

キャラクターデザインに見覚えがあると思ったら監督もキャラデザも「ネトゲ嫁」のスタッフのようです。

女の子の可愛さに全振りしたような演出にも納得です。

 

この方はライトノベル的な文法と本格的な業界ものを融合させるのがとてもうまいです。

どちらを疎かにするでもなく、きちんとライトノベル的なキャラクター関係を、現実の世界の中に埋め込んでいます。

 

本作は9歳の幼女雛鶴あいが現役若手竜王九頭竜八一のもとに弟子入りし押しかけ女房となるラブコメディーです。

雛鶴あいは主人公の八一に心酔しており、八一の対局する姿に惚れ込んで自宅まで押しかけてきました。

そして家事などの世話をしたり、八一の周りにいる女子たち(というか主に姉弟子の銀子)に火花をちらしながら、絆を育み成長していきます。

 

この手の設定はライトノベルでは非常にベタながら、全て将棋の世界の言葉に落とし込めているのが巧みです。

「押しかけ嫁」を「弟子」

「幼なじみ」を「姉弟子」

とするだけで、一気に設定に奥行きが出てきます。

 

外見こそラノベらしく個性の強いキャラクターでまとまっていますが、内容はかなり真剣。

第2話の最大の見所は八一のスランプでしょう。

若くして竜王の座についた八一は大きなプレッシャーに苛まれます。

それは「竜王らしい将棋を指さないといけない」という不特定多数に対するプレッシャーです。

それ故に負けそうな時はスマートに負けることにこだわるようになり、勝ちへの執着を失っていたのがスランプの原因でした。

このようにカッコつけた結果本来の情熱を見失うというのは、現実でもよくあることです。

私もカッコつけようとすると一切ブログが書けなくなってしまいます。

 

そんな八一の現状を変えたのが押しかけ嫁のあいです。

彼女は竜王戦でのたうち回ってまで勝利をもぎ取ろうとする執念に惚れ込んで押しかけて弟子になりました。

彼女は竜王戦当時の最も勢いのあった八一の精神をそのまま引き継いでいます。

師匠のはからいで対局を感染させてもらったあいは、あくまで勝ち筋を探し続けます。

既にカッコよい負け方を考えあきらめムードにあった八一とは対照的です。

 

その姿を見た八一は心を動かされます。

それは自身の最大のファンであるあいが、自分に入れ込んだ理由を思い出したからです。

大勢の顔の見えないファンではなく、目の前の最大のファンの想いに応えることを選びます。

そして、貪欲に食らいつく将棋で見事歩夢に勝利を収めます。

 

カッコつけるというのは不思議なもので、万人にカッコつけようとするとどんどん保守的になってしまうものです。

これはカッコつけるというより、衆人の目に怯えている状態ともいいます。

でも、特定個人に対してカッコつけるのは、何かに対して突き抜けるというものだったりします。

八一の勝利は綺麗事を言えば、自らの原点にたどり着いたということなのでしょうが、やはり基本はカッコつけなんだと思います。

でも、そんなカッコつけこそが、人を動かす原動力なんだろうなと言う気がしました。

大切なのは、「誰のためにカッコつけるか」というイメージなのでしょう

 

もしこのブログの何かの記事に共感した人がいたのだとしたら、その人のことを想像して、カッコつけていこうかな、なんて考えてます。

いつものように取り留めのない感想文になってしまいましたが、おわり。

宇宙よりも遠い場所第3話感想 青春をめぐる美しい物語

書いてる途中で寝落ちする大失態。

それでも私が「今日」という限りは「今日」です。多分。

 

 

今回は「宇宙よりも遠い場所」第3話。

前回登場した結月が加わって、いよいよ話が動き始めます。

こういう全員集合回はそれだけでテンション上がりますね。

 

この物語の核は動機もバラバラな4人が南極を目指すという目的を共有して奔走する青春ドラマです

 

平凡な高校生活から抜け出したい「玉木マリ」

母への想いから一心不乱に南極を目指す「小淵沢報瀬」

「ただの高校生」という身分を避け面白いことを探している「三宅日向」

そして、今回登場する友達という関係に飢えた「白石結月」です。

 

報瀬を除く3人はいずれも「普通の高校生」ということに思うところのある面々です。

そこに猪突猛進に南極を目指す報瀬という存在が起爆剤となり集まった4人。

彼女らが南極という究極の非日常を前に何を思い、何を感じるのか。

これがこの作品の一つの大主題だと思っています。

今回はそんなテーマの一部が垣間見えた回でした。

 

さて、前回の大失敗の反省会をする3人。

リーダーである報瀬が想像以上のポンコツであるということから話は始まります。

彼女は行動力に関しては目を見張る物はあるのですが、まわりが見えなくなってしまうタイプ。

また、口だけは一人前ですがいざ事を前にすると怖じ気づいてしまう側面もあります

物語冒頭の「バイトで100万稼いだのに落とした」というあり得ないエピソードに説得力が増してくる構図が面白いですね。

 

このあたりのわかりやすいキャラ付けとそれに触発された賑やかなコメディシーンは脚本である花田さんの十八番。

キャラの掛け合いのテンポもよく、また細かい動きが非常に多いです。

 

 

f:id:tomokingdom:20180118032936p:plain

結月の訪問に3人が別々のタイミングで気付くシーンのリズム感が好き

 

結月は子役あがりのタレントです。

彼女が持ってきたのは「女子高生南極へゆく」というテレビの企画。

これに自分の代わりに出てこないかと打診してきます。

女子高生だけで南極へ行くというシナリオの根幹ともいえる難題を解決する方法としてはやや力技のような気もしますが、これが一番現実的な落とし所かもしれません。

 

ぬか喜びしてアレコレしているうちに、結月の母親兼マネージャーがやってきます。

そして、テレビの企画を張るには到底役不足だと告げられます。

しかし、母親は報瀬たちに「結月の南極行きを説得してくれたら、あなたたちの南極行きも"推薦"してあげる」という最後っ屁をかましていきます。

 

またもぬか喜びする報瀬。

しかし、日向が「相手の事情も考えてやれ」と諭します。

報瀬の暴走はここで一旦止まりますが、逆に自己中心的な振る舞いに自己嫌悪。

それを日向が「わがままと意志の強さは紙一重」と言って褒め称えることで報瀬は自身を取り戻すのでした。

f:id:tomokingdom:20180118034515p:plain

何気ないワンカットですが、これは報瀬と日向が言いたいことを言い合える関係になったことを象徴していますよね。

本人たちは一緒に遊びにいったりカラオケに行ったりすることもなく「親友」と呼べる間柄を築いていたのです。

 

一方でそんな「親友」を欲していたのが白石結月です。

彼女は小さい頃から子役として活動していたために、友達をつくることができませんでした。

たまに近寄ってくる同級生も、有名人という肩書きに群がっているだけ。

言いたいことを言い合って喧嘩もできるような同世代の友人に飢えていました。

 

そんな時に目の前に現れたのが報瀬たち3人。

彼女たちはお互いに文句も言いますし茶化し合う、結月から見れば間違いなく親友でした。

その指摘に3人はきょとん。

彼女たちはあくまで「南極に行く」という目標のために集まった同士であり、出会って間もないどころか一緒に遊びに行ったことすらありません。

そんな関係性は「一緒に遊びに行ったりカラオケに行くことで親友になっていく」と思い込んでいた結月にとっては衝撃だったでしょう。

 

ところで、「一緒に遊びに行ったりカラオケに行く」という行為。

まさにマリと日向が退屈だと感じていた行為にほかなりません。

マリはそれを平凡で非青春的なことだと思い、それを乗り越えるために報瀬と出会いました。

日向は「普通の高校生」という肩書きに違和感を感じ、普通ではない存在であったマリと報瀬の前に名乗りを上げました。

 

彼女たちはいずれも「普通でないこと」を青春だと思っている人たちです。

「まず普通にならなければ青春できない」と思っていた結月とは価値観が180度違います。

 

結月は存在自体が普通ではありません。

なので普通であるためには相当な努力を必要としますし、実際全く上手くいってません。

そんな中、普通じゃない何かを目指して一致団結し、無理せずとも自然と親友と呼べる関係を築き上げたマリたちの存在は大きな救いだったでしょう。

 

 

そして、そんな3人が自分を誘ってくれている。

そんな奇跡に結月は耐えきれず涙を零すのでした。

 

この作品において、人間関係のきっかけは極めて打算的です。

マリは青春の丁度いい題材として報瀬とともに南極へ行くことを見出しました。

日向はせっかくだから面白いことをしてみたいといって二人に合流しました。

二人にとっても高校という枠に縛られずに動ける日向の存在は貴重でした。

そして今、南極へ行く手段を得るために結月を口説き落とそうとしています。

また、結月は3人に引っ張ってもらって親友と呼べる間柄を築きたいと思っています。

 

 

しかし、そんな関係からでも青春は作り上げられる。

この作品からはそんなメッセージを感じます。

成り行きで集まった3人が、特別な衝突もなく自然と親友という間柄を築いていたのが、その一つの表れでしょう。

 

壮大な運命も絆もないこの物語。

どんな終着点を迎えるのか楽しみです。

サンリオ男子第2話感想 なぜかオタクの悲哀を良質に描いている

アクセス解析というものをふと見たら99%がポプテピピック第2話の感想でした。

他の記事はほとんど読まれていないようです。

初めて2週間も経ってないブログなので、一記事だけ読んでいただけるのでも大変ありがたいのですが笑 よりによってポプテピピックかあ〜みたいな気持ちもあったりなかったり。

まあもともと自己満足のためのブログなので懲りずに書き続けます。

 

本日は「サンリオ男子」の第2話です。

サンリオ男子であることを恥ずかしがらないモテ男水野との出会いに衝撃を隠せない隠れサンリオ男子長谷川。

同士であることを勘ぐった水野からの猛アプローチを受けます。

 

そして、クラスの友人から水野たちのサンリオ好きが有名であることを教えてもらいます。

サンリオ男子であることを隠さない2人を不思議に思う長谷川。

でも、そこで友人が「とはいえ、いくらカッコよくても男がサンリオ好きってのは……っていう人も結構いるみたいだぜ」ということを口にします。

 

こういう丁寧さが私がこの作品を良いと思う理由だったりします。

どんなにイケメンで社交的でも、やはりオタク趣味というものは偏見がつきものです。

水野たちは決して万人から受け入れられているわけではありません。

単に、偏見を持った人たちのことを眼中に入れていないだけなんですよね。

アンチの声などどうでもよい。ただ自分の好きなものを貫き、それを許容してくれる人たちとつるんでいるにすぎないのです。

それはある意味理想的な姿ではありますが、素でコミュ力やスペックの高い二人だからこそ許される芸当だという気もします。

(ただ、身近なアンチばかりはどうしても苦労する模様。それはまた次回の話……)

 

一方で偏見の目ばかりが気になってしまうのが主人公の長谷川。

友達に拒絶されたショックで祖母と険悪になってしまったトラウマから抜け出せていません。

結果、友人の前でも自らの趣味を隠してしまいます。

 

才能に恵まれ活躍している人こそ、アンチの声に耳を傾けず堂々と振る舞うことができ、才能のないパンピーこそ周囲の目を気にしてこそこそと生きなければならない、というのは結構リアルな話だと思います。

多分、小太りのメガネ男子がプーさん好きだと間違いなくからかいの対象になりますが、羽生結弦のプーさん好きは日本中から「かわいい」と絶賛されます。

このあたり、もっと掘り下げられていくと面白いですね。

 

さて、康太はサンリオ好きであることを親にすらいうことができません。

こうした勘違いが重なり、康太の大切なポムポムプリンは捨てられてしまいます。

f:id:tomokingdom:20180117011431p:plain

そんなシーンではないとはわかっていつつも、粗末に扱われたプリンに実家のような安心感を覚える

 

慌てて飛び出す康太。

失いかけて初めて気づくものというのは世の中たくさんあります。

そして、水野たちの叱咤激励もあり康太は初めて人前で「ポムポムプリンが好き」であることをカミングアウトするのです。

このあたりはかなりベタではありますが、声優さんの演技も相まって素晴らしいシーンだったと思います。

 

そしてプリン好きを堂々とカミングアウトできるようになった康太。

オタクコミュニティにも入れて、これから順風満帆のオタクライフを……となるのでしょうか。

「オタクと偏見」を(サンリオのくせに)丁寧に描く本作には少し期待してしまいます。

シンカリオン第2話 大人と子供をテーマにした良質なホビアニ

こんばんは、

今日は見逃し配信をTBSオンデマンドで見れたので感想です。

www.tbs.co.jp

 

この手のホビーアニメは変わらない良さがありますね。

世界観の適度なゆるさと展開もまっすぐな暑さ、これほど純粋に「快」を追求してくれるジャンルもなかなかありません。

 

「最も優れた技術は新幹線に集まる。だから鉄道博物館が危機に立ち向かうことになったのさ」

なんてセリフ、真面目に考えたら負けです。

そもそも新幹線が変形してロボットになることの優位性など何も語られていません。

でも、ロマンがあるからよいのです。

 

しかし、ロマンだけではありません。

児童向けアニメは世相に合わせたメッセージ性の強さも魅力です。

(ヒロインがYoutuberなのもその一環ですよね。彼女についてはまた別の機会に。。。)

 

本作のひとつの大きなテーマは間違いなく「親子」でしょう。

主人公の速杉ハヤトは普通の家庭に暮らす鉄道マニアの小学生。

鉄道博物館に務める父親の影響もあってか、鉄道用語をビシバシ使い新幹線に憧れる筋金入りのマニアです。

ですが、肝心の父親は仕事が忙しくてなかなかハヤトにかまってくれません。

ですがハヤトは頭の回る子なので、そんな父親の事情を理解して不満を言うことは殆どありません。

久々に父に遊びに連れて行ってもらっても(といいつつ新幹線に乗るだけですがw)父は急に仕事が入ったと言って予定をキャンセルしてしまいます。

 

古典的な男児向けアニメならば、ここでハヤトは父親に対してキレていたところでしょう。

でも、ハヤトはあくまで「仕方ないよ」と笑顔を絶やしません。

 

今は「大人が子供を守る時代」です。

それは言い換えれば「子供が過剰に大人に遠慮する時代」とも言えます。

そこら中に"大人の事情"があふれかえる昨今。

SNSで情報が入りやすくなったこともあり、大人には自分たちの知らない大変さがある、と子供は勝手に我慢して遠慮してしまうのです。

ハヤトもそんな少年の一人でした。

 

しかし、それで内心の寂しさがごまかせるわけではありません。

このあたりのハヤトの心中は、良質な作画や声優の佐倉さんの演技によって存分に描かれていますね。

 

さて、その後紆余曲折あってシンカリオンに乗ってハヤトは敵を倒します。

ここが第2話の冒頭です。

急遽高い適正値を示してシンカリオンパイロットになったはいいものの、ハヤトの処遇については賛否が別れます。

「是非ともハヤトくんにシンカリオンに乗って戦ってもらいたい」

と推すのは偉い上層部の人達。その一方で、父ホクトは「子供を巻き込むわけにはいかない」と反発します。

父からすれば、子を思う発言だったのでしょう。

しかし、その言葉を聞いてしまったハヤトは再び自分が子供であるということを痛感するのです。

 

その後新学期も始まりハヤトは一旦元の生活に戻ります。

ハヤトはもうシンカリオンに乗るつもりはありません。

あくまで「大人」の領分だとわきまえてしまっているからです。

 

マスコットのシャショットはそれを聞いて動転し、賢明にハヤトを説得します。

しかし、「子供」と「大人」の関係を理解していないシャショットの説得はどこか空回り。

でも、シャショットという「子供」でも「大人」でもない存在はハヤトの助けになりました。

シャショットはシンカリオンを操作するために生まれたロボット。

シンカリオンを動かさない限りは存在する意義がありません。

「私には相棒が必要だ」というシャショットの願いは、ハヤトに別の目的を与えました。

大人の世界に干渉するのではなく、シャショットのために戦うというのは、大人の世界に遠慮してしまうハヤトにとって強い動機となることができました。

そして、父に向かってその思いを伝えます。

 

「前はお父さんのために戦ったけど、今度はシャショットやE5のために」

というハヤトの絞り出すような声を聞いた父ホクトの心境はどのようなものだったのでしょう。

成長した息子を喜ぶ気持ちと、大人たちの世界に引き込んでもいいのかという葛藤が一連のカットからにじみ出ます。

そしてホクトはハヤトをE5に乗せることを決断します。

それは、ハヤトを一人前の大人と同等に扱うことを決めた瞬間でもありました。

「二度目だから勝手はわかっているだろう」「俺たちを信頼しろ」といったセリフからはそういったホクトの決意が伝わってきます。

そして、ハヤトたちは見事的に勝利をおさめるのです。

 

大人と子供の関係は時代とともに変わりゆきます。

今は「大人が子供を守る時代」です。

子供は子供の領分から離れず、管理されることが当たり前です。

そして、単なる年齢というトリガーだけで突然「大人」として扱われます。

それはある意味、都合の良い子供像に子どもたちを押し付けているともいえます。

 

子供は親の仕事について知らなくていい

子供は性について知らなくていい

子供は政治について語らなくいていい

子供は出過ぎた真似をしてはいけない

(Youtuberのアズサちゃんはこのあたりのテーマを担っているのかと個人的に勘ぐってます)

 

それはある意味大人のエゴでしかありません。

でも、そのエゴの押しつけが今の子供達を縛って遠慮させている。

絶対的な力関係がありますからね。

それがこのスタッフの感じている今の日本社会なのでしょう。

 

フタバの台詞を借りたホクトのセリフはこの作品のテーマを感じさせます。

「大人と子供が手を取り合って未来を守る時代になればいい」

シンカリオンはこのテーマの先にどのような理想を描いていくのか、どんなメッセージを私たちに伝えてくれるのか。

楽しみに見守っていきたいと思います。

ミイラの飼い方第1話 全てを愛せる優しい世界

こんばんは。

ポプテピピックとかなんとか、速攻で感想を書きたい作品が溜まっていたのでなかなか書けずにいたのですが、本日は一度見てからすっかり虜になってしまった「ミイラの飼い方」の感想です。

こういう褒めたいところしかない作品ではただただベタ褒めするだけになるので、果たして読む人は面白いのだろうか(汗)

 

監督は「ゆゆ式」で知られるかおりさん、そしてシリーズ構成は「プリティーリズム・オーロラドリーム」を書き上げた赤尾でこさんです。

ゆゆ式のアニメも大変に評判がいいですよね。それもかおり監督を中心とした丁寧なキャラクター造りと日常を描く絵づくりへのこだわりが成し遂げた技でしょう。

ちょうど最近行われた興味深いインタビューがありました。

originalnews.nico

赤尾でこさんは私的大傑作「プリティーリズム・オーロラドリーム」「プリティーリズム・ディアマイフューチャー」を担当した脚本家さんです。

三重野瞳名義で音楽活動もしており、後継作品であるプリティーリズム・レインボーライブやプリパラにも歌詞を提供しています。

他にも「アスタロッテのおもちゃ!」や「赤髪の白雪姫」など、人間関係を丁寧に良質に描かれる方です。

特に「信頼」や「絆」といった美しい関係を美しく描かせたら右に出るものはいません。

 

スタッフ語りでいきなり熱くなってしまいました(笑)。

原作はまだ読んだことはないのですが、comicoというweb漫画アプリで連載されており、スマホで読むことを想定されたweb漫画のようです。絵柄が素朴で好みです。

いずれ原作も読みたいなあ。

 

さて、アニメは家事をする主人公・空の様子からスタートです。

広い割に他の家族らしき人が誰も映らず、空はバーゲンのチラシを見たりしながら家事をこなします。

これだけで主人公の大まかな状況が伝わってきますね。

 

そしていきなりOP。

このOPがまず大変に素晴らしい。

 

まず、曲がいいです。

このアニメの雰囲気に合った、とても清涼感と疾走感のあるOPテーマです。

釣りビットというアイドルグループが歌を担当されているようです。とても綺麗な声ですよね。

このアニメはOPとEDがともにアイドルグループとのタイアップになっています。

どちらも作風に大変マッチしていますし、何よりEDのダンス(本家と同じ)がとてもかわいいのでこの判断は大成功だったといえるでしょう。

プロデューサーは一昨年一大ブームを巻き起こした「逃げ恥」の那須田淳さん。

作風を大きく外さず、印象に残るダンスや曲と組み合わせるバランス感覚が素敵です。

 

OPの絵コンテはワタナベシンイチさん。

キャラクターがくるくる回ったりとても楽しい画面を作ってくれます。

f:id:tomokingdom:20180115011531p:plain

意味もなくキャラが回転するナベシン

さらっとキャラクターに影があることを匂わせるカットがあるのが、今後の展開への期待を膨らませます。

 

そして本編。

ここでもやはり家の広さを強調しています。

そしてここでようやく同居人である楓さんの存在が明らかになります。

楓さんとの関係は現段階では不明ですが、単純な家族というわけではなさそう。「楓さん」呼びだし。

その何らかの事情はこれから明らかになっていくのでしょうね。

 

そこに届く父からの荷物。

父から謎の荷物が〜という展開はある種の王道ですね。

この手の展開だとだいたいやってくるのは美少女か魔法アイテムですが、今回はミイラです。

といいつつ、巨大な棺に対して出てきたのは手のひらサイズの小さなミイラ。むしろ、ミイラと呼べるかすら怪しい代物です。

 

その後、過去のトラウマから空はミイラを遠ざけようとしますが、ミイラはなついてしまったのか空のもとにテクテクとやってきます。もうこの姿が本当に可愛らしい。

ミイラは(後にミーくんと命名されます)とても泣き虫です。ちょっとしたことですぐ泣きます。

ノートでついたてを作っても、それでも空に擦り寄ってくる姿を見て空も徐々にミーくんの存在を受け入れます。この距離感の微妙な変化がとても丁寧です。

 

そしてミーくんは「家事をやるからここにいさせてくれ」と懇願します。

普段家事をやっているからこそ空はその提案が無茶なことがわかっているのですが、また泣き始めてしまうので、とりあえず家事を任せてみます。

すると案の定大失敗。むしろ、台所のシンクに水没してあわや大惨事です。

そんなこんなで空はミーくんを追い返すのも忍びないと思い、ミーくんを家に置くことを決断します。

 

そこに飼い犬のポチがやってきます。

ポチに嫉妬するミーくんが本当に可愛い。ここは是非とも本編で見てほしいと思います。

 

さて、ミーくんを飼うとはいっても、相手はどこにもマニュアルのないミイラ。空の試行錯誤が始まります。

ご飯は何を食べるのか、水はどうやって飲むのか。

その一つ一つに真剣に取り組む空の真面目さと、失敗ばかりのミーくんのかわいさがとてもいいですね。

今日かわいいしか言ってない。

 

友人の他月の訪問イベントも挟んでお風呂です。

他月についてはまだ情報が少ないのでドSということぐらいしかわかりませんが、OPで他のペットを連れていたので、ペット仲間になるのでしょうね。

 

お風呂ではしゃぐミーくんを見ながら(そういえばこのミイラやたら水に縁が多い)、空は父の手紙について回想します。

「家族と思って仲良くしてくれ」

という言葉に思うところがあるようです。

楓は明らかに母親ではないですし、父親はエジプト。

空が家族という存在を欲しているのは明らかです。

そして、ミーくんは空にとってどんな家族になるのか。

ポチとは違う存在になっていくのか。

今後の展開が楽しみですが、あまり目まぐるしく展開は動かないで、ただただ可愛さを堪能したいという思いもあります。

 

f:id:tomokingdom:20180115014851p:plain

エンディングテーマはイケてるハーツ。王道の元気が出るアイドルソングです。

「とりまアリなのアリよりのナシなの」って歌詞がなんか好き。

 

 

次回は茂木ちゃんという女の子も出てくるようです。

彼女も可愛いですね。ミーくんとは違う意味で。

 

シリアスになるのか、ならないのかは現段階ではわかりませんが、

とりあえずミーくんと空のやりとりを暖かく見つめていきたいな、と思っています。

こういう登場するもの全てを愛せる作品は素晴らしいですね!

ポプテピピック第2話 邪道なようで実はど真ん中を突っ走っている

ポプテピピック第2話を見ました。

今回も見事に好き放題やってくれましたね。

 

第2話を視聴する際の、最大の焦点は「第1話のアレは一度きりなのか? そうでないのか?」という点でしょう。

アレとは大きく分けて

・星色ガールドロップという茶番

・再放送による映像の使い回し

・毎度変わる声優(多くは野太い)

・忘れたころにやってくるボブネミミッミ

です。

最初のやつを除いて全部踏襲されていましたね。

 

天丼とは笑いの基本です。

「来るか……来るのか……?」という期待感と緊張感を極限まで高め、「やはり来たーー!」と一気に落とす。

こういった笑いの形式は特に近年お笑いの世界でもよく見られます。

キングオブコント2017で優勝したかまいたちの1本目のネタ「告白の練習」なんかはまさにその系統です。

私の大好きなネタにザ・ツネハッチャン(旧2700)の「キリンスマッシュ」というネタがありますが、あれもこのタイプの笑いを極限まで突き詰めていったものです。

 

ポプテピピックは1話から2話までの1週間という長い期間をフリに使えます。

SNSでのバズり方も含め、緊張感は極限まで高まったと言っていいでしょう。

 

そして始まったOP。

今回は星色ガールドロップではなくちゃんとしたポプテピピックのOPです。

「顔さえあればだいたいOK」というユルい作画基準をフルに利用したカオス感溢れる良質なOPだと思います。

f:id:tomokingdom:20180114015327p:plain

突然のいらすとや

 

 

しかし、あくまで良質です。クソではありません。

ここで視聴者の感情は「もしかして、今回からは普通にナンセンスギャグアニメを始めるのか……?」という不安感に駆られます。

つい「裏の裏」まで想像してしまうのです。

この不安感と緊張は高まれば高まるほど、来た時の笑いは大きくなります。

いわゆる、「緊張と緩和理論」というやつですね。

 

そして本編。

未完成作画のバトルものが突然始まります。

このような未完成コンテによるアフレコがギャグとして成立するのは、「SHIROBAKO」などの業界ものアニメが十分に認知されたがゆえですね。

勇者の声は檜山修之さん。とても特徴のある熱い声をされた方ですので、そこそこのオタクなら一瞬でわかります。

つまり、「所詮モブに豪華な声優を使っている」ということがわかります。

そうなると、「ポプ子とピピ美の声優は誰なのか?」ということに自然と意識が向かいます。

 

そんなこんなで、召喚獣としてポプ子とピピ美が召喚されるわけですが、ここで2人が口を開くまでたっぷりと間があります。焦らしますねえ。

そうして、口を開いてようやく判明した声優が悠木碧さんと竹達彩奈さん。Petit Miledyというユニットでも有名なお2人ですね。

 

このキャスティングもまたいやらしいです。

この2人はポプ子とピピ美のキャストとしては比較的「順当」であるように思われるからです。

第1話では大塚芳忠さんや江原正士さんなど、太い声の声優がキャステイングされていました。それに比べれば、プチミレのおふたりはちょっとしゃがれた声も含め、最も適役でしょう。

なので、ここでまた疑念が生まれます。

「第2話以降は声優は固定。プチミレの2人をメインキャストとしてギャグアニメをやっていくのではないか」と。

この焦らし芸こそが、天丼の醍醐味ですね。

 

さて、本編は相も変わらず挑戦的、もといやりたい放題の内容です。

 

声優の実写を使ったミニコントなどは、また強く声優について意識させる丁寧なネタふりでもありますね。

ゲームパロや謎のフェルト人形を挟んで、あの狂気的な作画によるミニコーナー「ボブネミミッミ」が続投であることが発覚します。

 

その後はまた遊びが続きます

エンディングでもなく挿入される「ストップアニメーション」や、小ネタ満載の「スクショでおみくじ」などはスタッフの遊び心が存分に発揮されていて見ていて素晴らしいですね。

あと、地味に2回目のボブネミミッミのかくれんぼのギミックが好きです。

予算の潤沢さも感じさせます。

(何曲レコーディングしてるのよ)

 

そしてオチの無い「大人になる」のネタから、急遽エンディングが始まります。

長かった天丼がようやく回収です。

本編で畳み掛けた上で「忘れたころにやってくる」のがにくいですね。

このエンディングの挿入によってようやく

・再放送による作画使い回し

・毎度変わる声優

という盛大な天丼を成立させたのです。

 

そして始まった再放送。

ポプ子とピピ美の声優はなんと古川登志夫さんと千葉繁さんです。

千葉繁さんはビーストウォーズでも発揮したユーモアあふれるアドリブが有名な方ですね。

散々視聴者の期待を煽った挙句に満を持して登場させるキャストとして、彼以上の適任はいないでしょう。

 

その後、勇者と魔法使いの声優実写コントこそ変更されたものの基本的には全く同じ流れが踏襲されます。

しかし、「緊張と緩和」とはよくいったもので、一度緊張感が緩和してしまうと、とても心が広くなるものです。

全く同じ内容なのに、普通に楽しく内容が入ってきます。

もちろん、古川・千葉両氏の熱演によるところも大きいですね。

同じ内容にちょっと違うスパイスが入っています。

 

一週間という盛大なネタ振りを経て、天丼をかましたポプテピピック

第3話に期待することはもちろん「第1話、第2話のアレは二度きりなのか? そうでないのか?」です。

「万が一の裏の裏」を想像し始めると勝手に緊張が高まっていきます。

一度ハマると何度でも笑えてしまうところが、天丼のすごいところですね。

しばらく、製作者たちの術中にハマろうと思います。

宇宙よりも遠い場所STAGE2 感想

遅くなりましたが、なんとか書きます。

一日一記事、一作品という自分への枷、なかなかに厳しいものではありますが、こういう日課をなくすと自分はダメ人間になってしまいそうですし、そもそもまだ一週間も経ってないのに投げ出すのはあまりにカッコワルイ。

なので頑張ります。

 

今日は「宇宙よりも遠い場所」です。

1話の感想を書いていませんが、あくまで「その日見たものの中で気になったもの」を書いていくので、2話から書きます。

なので1話の内容も少し含みます。

 

監督は「ノーゲーム・ノーライフ」「ハナヤマタ」などで知られるいしづかあつこ女史×マッドハウス

脚本は「ラブライブ!」でおなじみ花田十輝さんです。

色々と賛否もあるようですが、一人に焦点を絞った時の疾走感はかなり巧みな方だと思っています。

良くも悪くも目の前のことに全力投球する人。

 

いしづかあつこさんは光を有効に取り入れた演出と鮮やかな色使いが特徴的です。

ノーゲーム・ノーライフ」ではゲームが全てを支配するおもちゃ箱のような、児童的な狂気のある世界をピンクや紫を多用することで見事に視覚的に表現しました。

また、「プリンス・オブ・ストライド」では華麗なアクションを、かっこいいポーズを上手く魅せながら鮮やかに演出しています。

今回の追いかけっこでもそのノウハウが活かされてましたね。

 

宇宙よりも遠い場所」はそういったフィクション性の強い作品とは打って変わって、リアル志向の作品。

いしづか作品だと「ハナヤマタ」あたりが近いでしょうか。

日常シーンのさりげない可愛さをサブリミナル的に取り入れていくOPには似たようなものを感じます。

こういう切り取りもセンスがあっていいですよね。

 

f:id:tomokingdom:20180113011843p:plain

特に必然性のない縄跳びシーン。

 

リアル志向の作品ゆえに画面の色使いは抑えめ。

この作品は放課後に活動するという手前もあり、夕方や夜が舞台になることが多いです。そのため、絵は全体に暗め。

しかし、単なる時間の問題以上に、暗めの背景が多用されているように感じます。

 

f:id:tomokingdom:20180113012522p:plain

日中であるはずの学校のシーンですらこの暗さ。

 

これは、主人公キマリたちにとって日常が「暗い」「代わり映えのない」「退屈なもの」ということの現れでしょう。

一転してOPの南極や、第1話の広島は非常に青空もまぶしく明るいです。

ここがまさしく彼女たちのとっての「青春」であり「希望」なのでしょうね。

 

そんな光と闇の演出が利いた本作ですが、シナリオは極めて素直です。

今の現実に満足できず夢を見たいと想う主人公マリ。

母親への執念からただ猪突猛進に南極を目指すキーパーソンしらせ。

「普通の学生」という肩書きに馴染めずバイトと受験勉強に勤しむ日向。

 

価値観も目的意識もバラバラの3人が高校生の身分でありながら南極を目指すストーリーです。

(モチベーション的にはマリと日向は近いですね)

 

ここまでのシナリオで面白いのは3人の徹底した「すれ違い」です。

マリにとって、南極とは青春をするための手段に過ぎません。基本的にはしらせにおんぶに抱っこで青春をしてしまおうという魂胆です。

しらせにとっては南極そのものが何よりの目的です。本人はこれが青春などとは微塵も思っていないでしょう。

日向についてはまだ十分には語られていませんが、遊び半分という感覚が強そうですね。

 

その違いが最も顕著に現れたのが追いかけっこのシーンでしょう。

しらせにとっては気が気でない追いかけっこですが、マリや日向は心の底から楽しんでしまっています。

このすれ違いが何をもたらすのか、どういうゴールに辿り着くのか、今はただ見守るしかありません。

個人的には違いを受け入れこそできないけれど、認めあっていてほしいと思っています。

 

次回、4人目の少女である結月が加わるようです。

今のところエンジョイ勢が多数派のようなきがするので(笑)結月がどういうスタンスで南極と向き合っていくのか、楽しみにしたいと思います。