文化人になりたい

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ポプテピピック第3話感想 ギャグアニメというよりもオタ向け声優バラエティ

前回そこそこ読まれたポプテピピックの感想。

今回は第3話目です。

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アクセス解析はクソアニメに正直。

 

さて、前回で「このアニメは前編と後編で同じ内容を繰り返し、声優の違いを楽しむ作品だ」という方向性が明らかになりました。

つまり、視聴者の側も完全にこのアニメの楽しみ方を理解したわけです。

もちろん、ここで敢えてパターンを崩すことで、視聴者を更に躍らせる方法もあったでしょう。

ですが、ここは楽しみ方を覚えた視聴者に安定したコンテンツを供給する方向に舵を切ります。

 

今回の話の最大の特徴はなんといっても「ザ・ドキュメント」そして「JAPON MIGNON」の復活でしょう。

この2つと「ボブネミミッミ」はアニメの中で独立した一つのコーナーとして成立しています。

つまり、ここだけ切り出したとしても(それが面白いかは置いておいて)一本の作品として成立しているのです。

全体の大まかな流れの中にいくつも小コーナーを挟んでいくという構成は、アニメ作品というよりはバラエティ番組のノリに近いものです。

細かなネタを細切れに再構成していくというのは、特に4コマ漫画原作のアニメではおなじみの手法ですが、コーナーとしてタイトルまで銘打って切り取るのでは質的に違いが生じていきます。

 

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そもそも「新コーナー」って銘打ってますしね。実際には一番の古参コーナーですが。

 

前回までは悪夢のように何度も現れるボブネミミッミを除いて全てが新コーナーでした。

しかし今回、「JAPON MIGNON」が復活したことによって「恒例のコーナー」という概念が生じます。

つまり、このアニメは恒例企画や新企画を交えつつ、色んな声優にチャレンジしてもらうオタ向けバラエティーなのだという価値観が固定されるのです。

初回の「このワケわからん作品は、どう楽しむのか?」が曖昧な状況から、少しずつヒントを散りばめて番組の全体像を徐々に明らかにしていくという手腕はかなりの策士です。

だからこそ毎度毎度感想を書くのが楽しい。

 

声優ありきのバラエティー思考の強いアニメ作品というと「てさぐれ!部活もの」あたりが思い浮かびますが、ポプテピピックの方がより特化した作りになっています。

バラエティー番組の特徴はいくつかありますが、大きな特徴は「演者が変わるだけで企画として成立する」という点でしょう。

テレビバラエティの人気コーナーなどでは、ゲストの出演者が変わるだけで内容が殆ど変わっていないということも珍しくありません。

わかりやすい例がぐるナイのゴチですね。

というのも、視聴者は企画そのものの新展開ではなく、企画とゲストの化学反応を楽しみにしているからです。

 

ポプテピピックも同じ構造になっています。

この場合、「ゲスト」が「声優」です。ゴチでいう「レストラン」が「アニメの内容」ですね。

てさぐれなどは同じメンバーでのだべりを中心に楽しむラジオや深夜番組と近い構成ですが、こちらは毎度変わるゲスト(といっていいのか)声優がメインなので、ゴールデン帯のバラエティーに近い印象です。

どちらが好きかというのは勿論好みの問題ですが、バズりやすさ・大勢での盛り上がりやすさという点ではこちらに軍配が上がるでしょう。

なにぶんパロディの多い作品なので声優、特に大御所声優映えする内容なのも好相性。

今回の後半のキャストはそういった点でもバズりやすい、中尾隆聖さんと若本規夫さんでした。実際大盛り上がりでしたよね。

 

ゲスト100%じゃない構成にも、そういったバラエティーの香りが漂いますね。

ボブネミミッミやJAPON MIGNONは一切キャストに変更はありません。

JAPON MIGNONは後編で字幕がつくことで初めて話を理解できるという面白い仕掛けをうっています。

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(一方で一切変化がないボブネミミッミは本当なんなんだ……)

 

いわゆる一本のアニメ作品とバラエティ番組の違いは何なのだろうと考えると、時間の流れ方の違いであるように感じます。

4コマ原作のアニメであったとしても、多くは作品内の時間の流れに断絶がありません。細切れにはなっていますが、基本的には順番通りに時間は進みますし、視点もそのままです。

一方でバラエティーではコーナーごとに完全に時間と空間が断絶します。基本的に収録場所もメンバーも違うことが多いですし。それゆえに、コーナーのタイトルは別々にコールされますし、コーナーごとの独立性が高いのです。

ポプテピピックのアニメでも、コーナーのタイトルをわざわざコールして切り出すことで、原作ネタの並列という構成からから脱却しているように思います。

 

ポプテピピックの場合、原作からしてそれぞれの4コマごとの時空間が完全に断絶しています。

そもそもポプ子とピピ美の出自や背景すらよくわかりません。

基本的に一本一本独立にナンセンスなギャグが並列されているだけです。

その意味でも、ポプテピピックという作品はバラエティー的な構成と相性が良かったのかもしれません。

となりの山田くんもこのメソッドでアニメ化したら違ったのかなあ)

 

このアニメはもう安定期に突入したと言って良いと思います。

そんな中で、どんな企画やゲストが待ち受けているのか、楽しみにしていきたいと思います。