文化人になりたい

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リディー&スールのアトリエ 〜不思議な絵の錬金術師〜 その他システム編

前回、リディー&スールの調合についての感想を述べました。

今回は調合以外のシステムについてです。

多分、次シナリオの感想を書いておしまいかな……。

 

アトリエシリーズでは時間が流れており、依頼をこなしたりストーリーを進めたり調合をこなしたりしながら日々を過ごしていきます。

第一作であるマリーのアトリエでは、3年間という期間が与えられてその間に十分立派なものを調合するというのが目標でした。

その後、各作品ごとにさまざまに目標を変えつつ、時に大目標と小目標を上手く混ぜながら進化させてきました。

私がプレイしたものだと、ロロナのアトリエというものがありますが、こちらはおよそ3ヶ月毎に小課題があったりして中だるみさせない作りになっていましたね。

 

そんな中で大きく方針を転換したのが黄昏シリーズの第3作、シャリーのアトリエです。

シャリーのアトリエでも同様に日付の概念はあるものの、期日の概念がありません。

つまり、いつまでに何を作らなければならないという時間制限がなくなったのです。

期日が来てゲームが否応なしに終わってしまうということはなくなったものの、一方で調合にかかる日にちというのがほぼ死にパラメーターになってしまったり、戦略性の部分では大きく変化することとなりました。

 

黄昏シリーズに続く不思議シリーズもこの傾向を踏襲しています。

期日がなくなったということは、いくら失敗しても時間を損することがないということで、強いアイテムを色々試行錯誤できます。

その結果、裏ボスの強さは歴代シリーズとは比べ物にならないほどになり、「強いアイテムを作って敵を倒す」という部分については大幅強化されたといってよいでしょう。

実際、ソフィー以降クリア後のボスたちの強さはかなりのものですし、フィリス、リディー&スール共に登場する女神「パルミラ」の戦闘力はなかなかに頭おかしいです。

また、アップデートによってボスのレベルの上限を上げたり、ボスを追加したり、戦闘を楽しむという面をより強固にしていこうという姿勢が感じられます。

強敵のためにアイテムを試行錯誤しながら作っていく過程は、考慮すべきことが多いパズル調合とも相性がいいです。

 

リディー&スールの通常プレイは、オーソドックスなアトリエと類似しています。

前作であるフィリスのアトリエは疑似オープンワールドでのアトリエというかなり挑戦的なことをやっているのですが、今作ではソフィーと同様のオーソドックスなスタイルに戻り、一つの街を拠点としてそこで行われる日常をテーマにゆるゆると話が展開していきます。

キャラクターとの交流を楽しむという面では、こちらの方が相性がいいですね。

みんな同じところに住んでいるので自然と交流も生まれますし、過去のキャラクターが集まる不思議シリーズ3作目の今作としてはふさわしいのかもしれません。

とはいえフィリスのように調合で世界を広げていく感覚は大変素晴らしかったので、あちらの方向でもいずれまた作って欲しいものです。

 

UIは非常に良くなっていました。

ファストトラベルもわかりやすいし、イベントのある場所には!が表示されます。

キャラもイベントも多いので、変にマラソンしなくていいのはとても便利。

 

さて、本作のメインの流れですが、「アトリエランクを上げて国一番のアトリエになる」のが本作の目標です。

アトリエランクを上げるには試験を受けなければなりません。

アトリエとしてはしばしば見られる、ところどころに小課題を挟んでモチベーションを上げていくタイプのアトリエです。

 

課題だけ定期的に出てきて〜という形になっていないのが良い工夫だと思いました。

小課題というのは忘れたころにやってくるので人によっては「面倒くさいおつかい」と感じてしまいますが、今回は試験をうけるために「評判」を上げるということが目標になります。

評判とは、「このアイテムを調合してみよう!」「この魔物を倒してみよう!」などの小クエストが詰まった「野望ノート」の項目をクリアしていくことで上げていきます。

この野望ノートがよくできていて、その時のプレイヤーのレベルに合わせて適切に課題が設計されています。本当に一瞬で終わるような簡単なものから、結構がんばらないといけない調合まで、たくさんあります。

そして、その全てをこなさなくとも、一定数こなせば試験は受けられるようになるので、野望ノートを参考に好き勝手調合していれば自然と達成されるので、あまり窮屈でもありません。

しばしばアトリエシリーズは「自由度が高くて何をすればわからない」という声も聞きますが、縛りをきつくしない範囲で丁寧な誘導をつける、絶妙なシステムだと思いました。

 

今作のレシピは、従来の本で覚えるというものに加えて、ソフィーのアトリエから始まった「レシピ発想」というものによって得ることができます。

レシピ発想は、材料収集や調合など、特定の条件をみたすことに依ってレシピを手に入れることができます。

このレシピ発想というのが楽しく、プレイヤーは「欲しいアイテムを作るため」ではなく「レシピノートを埋めるため」に調合を繰り返していくことになります。

ソフィーの頃は不可思議なレシピ発想の順番もいくつかありましたが、リディー&スールは非常に洗練されており、レシピ発想のために調合の基本を覚えつつ、必要なアイテムや材料を揃えていけるようになっています。

 

リディー&スールのアトリエは不思議シリーズの最終作という位置づけでもありますが、システムの面で見ると不思議シリーズの集大成とも言える出来で、かつとても初心者にも親切な誘導がなされている作品だと思いました。

過去作のキャラクターが登場してガンガン絡んでいくというとっつきにくさを除けば、今回のアトリエは一番アトリエ入門として親切なゲームで、是非おすすめです。